新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

多峯主山の道迷い 正規ルートの注意点

2022年2月21日 晴れ

膝の調子がやっと戻ったので、多峯主山から永田山への登山道で前回正規ルートを辿れなかった道迷いを確認してきた。原因はうっかりミスなのだが、正規ルートを踏みたくて。 迷ったというより国土地理院地図重視、事前調査不足、勘違いなどが重なったミスが原因

 

正規ルートは左だった P2219873.JPG 雨乞池付近から西に延びる分岐が正規ルートで、道標は「久須美坂」永田台ともある事から、住宅地を通過するルートと勘違い。国土地理院地図にはないルート。昭文社地図には明確に赤実線で記載があった。よく手入れされているが途中のコルの十字路がちょっと悩ましい。

下りきると十字路 P2219876.JPG 真っすぐが正解。左の方が道がはっきりしているが、これは御岳尾根(御岳八幡神社を通る多峯主山メイン登山道)の尾根上がり口に戻るルートで、国土地理院地図には破線表記がある(歩いていないので予想だが、近日中に歩く予定)。右に「奥武蔵ロングトレイル」の表示が巻き付いた木が転がっているが、間違いだ。(この辺は飯能アルプスと同じルートのはず)

まっすぐ進むと立ち木にペンキで「テンカク 久須坂」という表示、さらに上ると P2219877.JPG

その先にはこんな表示があり、正規ルートであることを確信P2219878.JPG

大黒山を経てP2219879.JPG

舗装道路に出る(写真は道路を渡って振り返り)。ここが永田台。P2219880.JPG

300mほど坂を上ってゆけば、左に「久須美坂・天覚山」の道標がある。P2219881.JPG

フェンス沿いを歩いてゆけば、永田山への尾根取り付きとなる。P2219883.JPG 前回はこの柵の下20mほど先の急斜面を無理やり登って、この道の上に出た。

なお、南面から多峯主山への登山道は「御岳尾根」が一番西側で、他に一つ東の「本郷尾根」、さらに東の「水道山北尾根」(天覧山からの道に標高180m地点で合流)があるが、いずれも登山口に道標はない。本郷尾根は雨乞池南の常盤台に上がっていて、上部には「本郷を経て市街地」の道標、水道山北尾根の合流点には「本郷配水場」の道標がある。 多峯主山の登山道を歩いてみて、正規のルートは鳥居と石段がある「御岳尾根」だが、新緑の時期には「本郷尾根」が良い。

天覧山からの登山道は飯能アルプス(あまり好きな呼び名ではないが)のルートというだけで、植林帯の裏道の感がある(個人の感想)

今回歩いたエリアには多くの分岐道が有り興味をそそられた。自転車で行くにも往復1時間と手ごろなのでしばらくは遊べそう。このような里に近く周囲を確認済みのエリアでは、地図を持たずに徘徊して道の行く先を確かめるのが面白い。標高は300mにも満たないのだけれど。

さらに麓の神社も面白い。今回訪れたのは御岳八幡神社、村社白髭神社の2社

 

御岳八幡神社は山頂近くの御岳八幡神社に明治期に合祀されて廃社となったが、その後復活させたそうで由緒書きには「(里宮)」とある。八坂神社が並んで立っているので、八坂さんが神社統廃合で引っ越してきたのだろうか。 P2219861.JPG

村社白髭神社は拝殿をお参りしてみると、「愛宕大神」と「秋葉大神」が合祀されていることが分かる。どちらも神仏習合神で火にまつわる権現様で修験の神様だ。明治政府の神仏判然令がトドメとなって強制的に信仰を禁じられた修験道とともに廃ってしまった。P2219887.JPG

多峯主山の御岳八幡神社の一段下に「午頭天王」の祠がある。P2149792.JPG 午頭天王も神仏習合神で修験の信仰が厚かった。

上記の御岳神社(里宮)では7月15日に「天王様」の祭りを行うそうだ。天王様とは午頭天王。よく考えればそれもそのはずで、隣に立っていた八坂神社、もともとは午頭天王を祀っていた祇園社なのだから。 愛宕大神、秋葉大神、午頭天王共に明治の天皇復権で仏を捨てて神となったか。里では午頭天王は祀れないが、一般の目の届きにくい山頂近くでは午頭天王を祀り続けたのか、後に復活させたのか、この辺りに修験者はもういないはずだが、隠れ修験者が居るのかも。

ログ 一部迷った前回ログ(青)と今回ログ(赤) 多峯主山登山道重ね.jpg