新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

携帯電話の恩返し

2019年12月18日 6℃

和田山の東展望台から、秩父の峰に沈みゆく満月を楽しみたかったが日程が合わなかった。今日は天頂に半月。ここ数日ですっかり葉が落ちた雑木林は半月でも明るい。闇夜になりきれない森でヘッデンを消して柔らかな月の光を浴びるのは心地よく去りがたい。

森から見上げる月 PC186369.JPG

川霧が上がってきている。今日は雲海が見られるかもしれない。 PC186356.JPG

夜中に雨が降ったようで山道は濡れていた。そういえば先週も雨上がりだった。いつも通りの暗闇を一の鳥居に続く前山、一番急な小道を登っていると足元に四角い物が、ランプでそこだけ明るく照らされた落ち葉の輪に入り込んできた。拾ってみれば携帯電話だった。俺のより新しい機種だ。一瞬よこしまな考えがよぎったが、下山後明るくなるのを待って駅前の交番に届けた。ケースの中に持ち主情報があったようで連絡が取れるとの事であった。落し主との連絡などは一切拒否し、権利を放棄して交番を出た。

翌日から4日間沖縄方面を旅行。宮古島には石灰岩ボルダリングやクライミングができそうな場所が随所にあることを発見(宮古島にはハブがいない)。暖かいそよ風や白浜や霞む島の眺めを堪能して帰路に就いたところ、那覇空港に向かうバスの中で携帯電話がないことに気が付いた。あわてて人の電話を借りて電話してみた。幸い何度目かに通話ができて郵送をお願いした。携帯はバッテリーの関係で航空便には載せられず、船便になるようだった。家で待つこと5目、不安が募るそのころにやっと届いた。無傷で異常のないことを確認し、さっそくお礼の電話をかけた。

皆様は携帯電話が人知れずこっそり連絡を取り合っている事をご存じだろうか。おそらく拾ったあの携帯電話の取り計らいで私の携帯電話が戻ってきたのだ。そうだこれはあの携帯の恩返しだったのだ。あの携帯もご主人に戻ったことを直感した。