新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

岩魚留小屋

2013年10月29日 (10月27日歩く)

早朝の島々谷は日がなかなか射さず薄暗い谷だ。その谷の右岸左岸を縫って二俣から続く登山道は岩魚留橋を境に明るい。 小屋はその日向の中に建っていた。この谷で一番初めに日が射すと思わせる場所だった。 IMG_8307.JPG

休業して久しいと思える小屋の縁台に座るとぽかぽかと暖かく、のどかな気分になる。対岸が暗いから、庭先のもみじが冴えて美しい。 IMG_8309.JPG

ここから先は日の当たる明るい登山道。 IMG_8311.JPG

振り向けば小屋の屋根は落ち葉で覆われていた。やがてこの桂の大木の落ち葉に埋もれてしまうのだろうか。 IMG_8310.JPG

信仰のために分け入った行者の道。作業道として江戸時代から、スポーツ登山としてウエストン達が往来してからバスが上高地に入る昭和8年まで島々谷は上高地までの主要ルートだった。今では想像できないが、固い道が証拠だ。そんな時代のいつを見ていた小屋なのか。谷水を引いためっきの蛇口だけが生き生きと朝日にまぶしく光っていた。