2020年2月25日 曇り
日和田山から物見山を往復した。付近では梅が満開だったので生越の梅林に出かけてみた。駐車場を選んでいるうちに過ぎてしまったので、終点の黒山三滝に行ってみたら、なかなか面白かった。
具たくさんのひもかわうどんとマスの塩焼きが絶品。これで1000円(600+400)食べかけで失礼。
男滝・女滝。黒山三滝とは、これに加えて天狗滝。天狗滝は道崩壊で通行止めのため遠望のみ
巻き道上に東屋が見えたので、神社だと思って登ってゆけば、東屋内には小さな石仏にろうそくが灯っている。神社ではない。そういえば鳥居がなかった。だがしかし小便小僧も並んでいるではないか。(驚いて混乱し写真撮り忘れ)
さらに上がると大剣が。信仰の山によくある鉄剣に似てる。鉄剣なら密教か、でなければ修験道か。
しかし、さらに上ると比較的新しい祠にトラをペットに爺さんが、これは仙人か? ならば道教なのか?供え物にハングル文字のマッコリと思われる容器がある。
滝まで下ると石柱があったので、よく見れば「観世?菩薩」と読める。ならばやっぱり仏教。ミルクボーイの漫才じゃないのに。いったいこの場所は何なんだというもやもやを残して引き返す。
滝に一番近い土産物屋 昔懐かし竹の蛇や近代的なプラスチックのおもちゃなど、場所柄やジャンルに関係ない品ぞろえ。せっかくなので味噌おでんを頂く(一串△一片×4串=300円)。実に懐かしい店構えだった。
帰りがけに梅直売の農家さんに立ち寄るが、生越の梅林より数段きれいな梅林。 帰宅後黒山三滝の宗教についてネットで確認した結果わかったことは、室町時代に山岳信仰の拠点として開かれたのが起源(越生町のHP)。HPの滝開きの行列に巫女がいるのは山岳信仰の名残、山伏装束が写っているのは仏教と融合した修験道。なので仏像があるのは当然な流れ。東屋までは、小便小僧を除き仏教または修験道なのだ。
ではその上の比較的新しい祠はなにか。滝と祠といえば当然水神様だろうと思うが、水神様は通常竜や蛇や河童なんだそうだ。ではあまり見かけないトラをペットにしたおじいさんは何者か。右の背後に7人の爺様が描かれているので福の神の一人かと思ったが、七福神にはトラ連れはいない。菩薩も動物に乗っているので確認したが、やはりトラはいない。
ヒントはウィキペディア(Wikipedia)にありました。黒山三滝で調べると、山本政志監督による2014年の日本の映画「水の声を聞く(みずのこえをきく)」で主人公の在日韓国人の巫俗が黒山三滝にある済州島系のシャーマニズムの道場に修行に訪れる。というものだったらしい。(もちろん実際には黒山三滝にそんな道場はない)そして山神は、朝鮮の巫俗の山神で、しばしば虎と伴に描かれるとある。朝鮮の寺には山神を祀った山神閣があるのだそうで、写真の祠は「山神閣」なのだ。ではこの「山神閣」はいつからあるのか、今生越役場に問い合わせ中だが、比較的新しい。もしかしたら映画のセットをそのまま残したのかもしれない。一番上に「山神閣」を祭ったことで下の修験道の場も含めて朝鮮の寺の如きになってしまったのだ。
室町時代からの由緒ある場所がそんなことになってよいのだろうか。それとも外国の観光客目当ての戦略なのだろうか。そういえば日高市のお寺の聖天院も本堂よりさらに高い位置に明らかに仏教に関係のない仙人風の石像がたくさん並んでいた。