新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

紅葉の谷川岳馬蹄形 2日目 蓬峠から西黒尾根下山

2020年10月20日の記録

夕焼けは何だったのか、起きてみればガスに包まれていた。霧雨の中テントを撤収し、慎重に方向を定めて出発する。刈り払いされた笹が落ちている土の道を緩く登る。あまり滑らない。30分もたてば薄明るくなるはずで、武能岳山頂で日の出となるはずだ。

武能岳はガスの中だった。180m下り笹平。雨が強くなり雨具を着る IMG_9297_0武能岳.JPG

茂倉岳まで約400mの登り。ガスの中うっすらとピークらしきものが現れ、3度目を登りきると見慣れた茂倉岳の山頂に着く。まもなく山行は終了だ。IMG_9297_PA207652茂倉岳.JPG

鞍部まで下り、登り返そうとすると雲の中から月のような太陽が垣間見えた。霞んで見えるは一ノ倉岳かIMG_9297_PA207658一ノ倉手前で太陽が.JPG

一ノ倉岳山頂。避難小屋の中は綺麗に清掃されていた。登山者以外の誰かが整備しているようだ。積雪期に見た時は入りたくないほどのありさまだったが。 IMG_9305.JPG

ガスが切れ、振り返ると草紅葉の一ノ倉岳。雨具を脱いで身軽になる。 IMG_9312一ノ倉岳.JPG

富士浅間神社奥宮にお参りIMG_9350浅富士間神社奥の院.JPG

オキノ耳。山頂の陽だまりでコーヒーを淹れてゆったりした時を過ごす。今日は訪れる人もまばらで静かだ。IMG_9351オキノ耳.JPG

トマノ耳、ここも数パーティーしかいなかった。稜線の群馬側は晴れていて、雨の形跡すらなかった。IMG_9359トマノ耳.JPG

予定通り西黒尾根を下る(雨だったらスキー場の林道を下ろうと考えていた)耳の見納め IMG_9375西黒尾根から見納め.JPG

ザレ・ガレの急坂を下り、鎖場を通過(写真は上部鎖場の核心部)IMG_9380前半の鎖場核心.JPG

鎖場終了してラクダの背を見下ろすIMG_9384ラクダのコブ.JPG

ラクダのコル、巖剛新道が左に分岐(崩壊か所があるので不安なら西黒尾根下山を勧める表示あり)IMG_9387巖剛新道分岐ラクダのコル.JPG

ラクダのコブでしばし休憩IMG_9403ラクダのコブのナナカマド.JPG

後半の岩場の核心部、積雪期にはちょっと怖いところIMG_9413後半の鎖場核心.JPG

岩場を過ぎると紅葉の樹林帯IMG_9418紅葉.JPG

新道に合流(巖剛新道登山口) IMG_9424新道に合流.JPG

 

コースタイム/2日間のトレース 

蓬ヒュッテ(05:10)-武能岳(06:00)-茂倉岳(07:50)-一ノ倉岳(08:25)-オキの耳(09:30)-トマの耳(10:13)-谷川岳肩ノ小屋(10:19)-ガレ沢のコル(11:03)-土合口(12:30)-土合橋(12:56)  トレース全体.jpg 蓬峠の出っ張りは水場

前回山行に費用が掛かってしまい、資金不足に陥った。安く行ける場所をあれこれ探した結果、谷川ロープウエイが災害復旧で10月いっぱい止まっているとの事。静かな谷川岳に行けるチャンス。静かならば天泊もしてみたくなり、以前から日帰りで考えていた馬蹄形を一泊で歩くことにした。

コース中笠ヶ岳から朝日岳の間と、ジャンクションピークから七ッ小屋山は未踏の稜線だ。天気が悪い今年に有って4連続晴れの中間2日で計画し、絶対晴れと期待したが、直前で熱帯低気圧の発生があり嫌な予感。実際には1日目の朝日岳山頂からガスに巻かれ、夜間に一旦晴れたものの、2日目は霧雨の中のテント撤収、武能岳から一ノ倉岳までは雨に降られてしまい、楽しみにしていた朝日岳からの宝川の眺め、大好きな茂倉岳からの眺めがいずれも濃いガスで果たせなかった。

当初の計画を1日早めた判断はどうやら間違っていたようだ。紅葉は白毛門の登り、朝日岳から清水峠の間が良く、清水峠から武能岳の間はたおやかな尾根の笹原の道が気持ち良い。ノゾキ付近から一ノ倉沢の岸壁とその草紅葉は圧巻。また西黒尾根の樹林帯も下るに従い紅葉から緑への変化が楽しい。

帰宅後天気図を確認すると西高東低になっており、西黒尾根が晴れていても山頂にまとわりついていたガスは冬の始まりを告げるものだった。