新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

バックカントリースキーの使用感

2018年5月5日

使用感の前に、今週の日和田山コアジサイが咲きだした。IMG_5423.JPG

探せば地味だが清楚な花もIMG_5421.JPG

雑草さえも綺麗に見える今頃。IMG_5425.JPG

さてスキーの話題

一昨年の5月の神楽峰、今年の谷川岳、4月末の燧ヶ岳の3回と少ないが今感じている事。

板:ブラックダイアモンド リンク95

ビンディング:ディアミールヴァイペック12

靴:スカルパ マエストラーレ

 

靴について

初回:靴のフィット感は常に問題だが、初回は締め付け感が半端ではなく、まさに修行。また小指の付け根が当たって痛い。締め付けの痛さと当たりの痛さだけが記憶された。行動時間が3時間ほどだったので助かった。その後当たり部分はお店に調整したもらった。

2回目:締め付け感緩和のため、薄手の靴下1枚で行動。結果締め付け感はあるもののほどほどだったが、靴擦れがひどく完治に約1か月を要した。(圧迫感のためか擦れていることに全く気付かず)

3回目:靴ずれの問題からソフトで厚手の靴下を履き、圧力分散・擦れ予防を図った。履き始めは圧迫感が強く足の指にしびれがあったが、3時間も歩いていると(ツボ足)次第になじんで痛さが消え、強めの圧迫感はあるものの行動に問題なし。(ただし脱ぐと圧迫された痕跡の赤みがかった部分あり)

・サイズは冬登山靴同等で、購入前のためし履きでもややきつかったが、履けばなじむと考えていた。また靴下も薄手で十分と。だが、自身のスタイルが長時間行動ならば、スキー重視のぴったりフィットよりも歩行重視で考えたほうがよく、スカルパの靴では1サイズ大きい方が無難と感じた(冬靴もスカルパ/使い込むと意見変更の恐れあり)。購入時薄い靴下でフィット、中敷きのヘタレは靴下で調整が良いと感じている。過度の圧迫感は禁物(そういえばクライミングシューズ1足目もやがてなじむと言われてきつきつにしたが、足にフィットしたときは、靴が裂けていたもんね。)

兼用靴で雪山を歩く事に抵抗があり、過去にはツボ足用に登山靴、スキー用の兼用靴と使い分けていたので荷物がかさばっていたが、今回兼用靴で燧岳山頂まで登ってみて、岩場は全く駄目だが、雪があれば兼用靴で問題なく行動できることが分かったのは、今更だが収穫だった。欲を言えば、インナーがシェルに対して脱げやすく履きやすければ幕営生活でも楽だろうなと思った。

 

ビンディングについて

活動エリアに大きく左右されると考えるが、上越のような解けたり凍ったりする環境下で、つま先側も踵側も「穴に入れて固定する」方式が適しているかやや疑問。急斜面で踵を固定して横登りしようとしたが踵が固定できず困った。また下りの時も片足のみ固定できず、結局快適に滑ることができなかった。この原因が不慣れなためか、構造のためか断定はできていないので、今後といっても来年になるが確認したい。ピン以外にも水が入って凍ってしまう部分がありそうなので、どこが問題かは今後確認したい。ただ、スキーはゲレンデの方が長く、ずっとマーカーを使っていたので「Kingpin」について今注目している。また、時代錯誤かもしれないが、一体型のビンディングもそんなに悪くない気もする。(大昔のジルブレッタはまだ持っている)

 

板について

今回購入まで全く知らなかった「ロッカー」「カービング」。リンク95はトップとテールの一部が「ロッカー」となっていて、一般的には「初心者の方や、高齢者、ブランクのある方向けスキー板」と定義されている。カービングとはスキーのサイドのカーブをきつくした物で、回転半径を小さくできるもの、もともとの用途はアルペンスキー競技用らしい。リンク95はターン半径が21m。カービング もCarvingで彫刻の意味があり、エッジで雪面を切り込む感じと受け止めている。バックカントリーにどう生かすのかちょっとわかりにくい。スキーヤーだったころの感覚が、遠い過去の事なので比べようがないが、数回の使用感では、スキーが短いことが扱いやすさにつながって、ターンがしやすいと感じるが、エッジの切り込み感をまだ感じられていないのは、幅のせいなのかとも思う。

 

テクニックについて

カービングの板で最も変わったのがテクニックの部分。特にショートターンらしい。従来小回りは「ウエーデルン」と呼ばれ、テールを滑らせることが特徴で、初心者には憧れの滑り。カービングではテールを滑らす概念がなく、板のカーブで文字通り雪を彫り込んで回転する(らしい)。ずれのない切り込んだ高速ターンが可能になる。従来の板でも小回り以外では、加圧によって板をそらせて同じようにずれの少ないターンを目指していたが、それを容易にできるように改良されている(と理解した)。とすれば、逆ハの字に開脚する「ステップターン」などは競技においても、もう過去の産物になったと思われる。ステップターンは実に気持ちの良い見栄えもするターンだと思っていたので、廃れるのは残念だ。考えがまとまらないのはロッカーとカービングの同居、エッジで切り込むのであれば、ねじれ剛性が必要になると思われる。したがってロッカースキー+カービングでは板の固さをどう考えているのだろうか。実際にはパウダーにファット+ロッカー、ザラメにカービングが楽しいのだろうなあと考えるが、貧乏山屋はワンセット揃えるだけでかなり大変なので履き分けなんて夢。ちなみにリンク95はセミファットに分類される。