新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

奥又白の池から前穂高岳(A沢)

2018年10月7~8日 ほぼ晴れ

奥又白の池で一泊してA沢から前穂高岳を登った。良い天気で10月とは思えない暑さに参った。ダケカンバの紅葉は残念ながら枯れ色になっていた。水場は少し下がったところに。

7日 バスターミナルから梓川に出ると正面に明神岳 IMG_6493.JPG

雨上がりの梓川沿いの道と河童橋 早朝はまだ人が少ない IMG_6495.JPG

徳沢園のテント場はいつ来ても気持ちが良いところ IMG_6500.JPG

新村橋を渡って一登りで奥又白谷デルタ 正面が松高ルンゼ 右の尾根がルート 奥又白の池は左の尾根の奥にある IMG_6514 - コピー.JPG

デルタを松高ルンゼ目指して登ると分岐点 左が奥又白池ルート 右の屏風パノラマコースは、屏風のコルを経て涸沢ヒュッテに続く IMG_6518.JPG

木の根と岩の急傾斜をひたすら上り、やっとたどり着く奥又白池 池左の小高い丘と茶臼の頭が印象的 IMG_6530 - コピー.JPG

上から見下ろす池と梓川、美しいテントサイトだが、今朝までの雨で地面はやや湿り気味 Aルンゼ登り口のやや小高い乾いた場所ゲットで快適 IMG_6535.JPG

8日 明神岳前穂高岳のモルゲンロート IMG_6547.JPG

踏替点からゴルジュ三沢を見下ろす IMG_6571 - コピー.JPG

踏替点からA沢を見上げる IMG_6572 - コピー.JPG

A沢のコルからA沢を見下ろすと、突き出た尾根の右側に奥又白の池が四角く見える IMG_6598.JPG

コルから少し上がった地点からの明神岳への稜線 IMG_6605.JPG

風化した道標と上高地、霞沢岳と焼岳、遠く乗鞍岳御嶽山 IMG_6609.JPG

北尾根(手前の尾根)と登攀者、奥に槍ヶ岳 IMG_6610 - コピー.JPG

切れ落ちている吊り尾根、その先中央が奥穂高岳、左に猫耳のようなジャンダルムとロバの耳、右に涸沢岳北穂高岳 IMG_6613.JPG

涸沢は比較的静か IMG_6618.JPG

北穂から奥又白池、テントが一張り残っている IMG_6620.JPG

岳沢小屋付近の紅葉は圧巻 IMG_6633.JPG

記録と概要

7日 バスセンター6:20-明神7:20-徳沢8:20-新村橋8:40-分岐10:00-奥又白池12:50

バスターミナルまでの乗り合いタクシーの中で雨音を聞くが、到着すると雨は上がっていた。朝早いので観光客はほとんどいない、人は多いが違和感のない上高地だ。

新村橋先から登山道となり、松高ルンゼ横の尾根を登るが予想通りきつかった。

奥又白の池のほとりの幕営地は思ったよりにぎやかで、テントは10張りほどあったが、台地上の乾いた場所に設営できた。この場所は下界の光が全く届かない場所、人口の光は唯一空高くを音もなく移動する航空機の点滅するライトのみだった。18時就寝

8日 奥又白池5:50-ゴルジュ三沢6:30-踏替点7:00-コル8:04-前穂高岳9:00(30)-貴美子平10:13-岳沢小屋13:20(20)-登山口15:40-バスターミナル16:00

2時に目覚めて、池脇の小高い丘に登り星を眺めた。南には茶臼の頭が黒い三角となって星空を切り取っている。その頭上に時折星が流れ、短い光の筋が残像となって残る。なぜか山でお世話になった方々を思い浮かべる、とはいってもほとんどの方々は存命。

3時起床で身支度し6時少し前に出発。30分ほどは普通の登山道同様だが、その先は両岸切り立ったゴルジュの中を、踏めば崩れる足元に神経を使い、石を落とさぬようにゆっくり進む。左右の壁はボロボロで、特に左側は触れれば崩れ、つかめば石が抜け、安定しているものは何もなく、我慢比べのような登攀が続く。6人がぴったりくっついているので写真も撮れない。もっとも撮るものは石ころだけだが。

やっとの思いでコルに上がると明瞭な踏み跡がありガラ場とおさらば。少し上がると明神岳前穂高岳を結ぶ稜線の踏み跡に出、前穂高岳に向かってたどれば一般登山道に合流する。

本日Aルンゼ訪問者はおそらく3パーティーだろう。連休とはいえ思ったより登られている。

救助隊出動(他のパーティー

県警ヘリから隊員降下中 IMG_6624.JPG

7日に貴美子平で110番通報を叫ぶ声が2度聞こえた。先ほどまでいた明神への稜線のコル付近から要救要請。誰に言っているのかわからないのでしばらく待つと、電話してくださいとの声、近くの誰かと連絡が取れたようだった。 1時間後にヘリが到着し、隊員が2名降下し、ヘリが離れる。しばらく見ていたが進展がないので岳沢に下った。断続的に聞こえたヘリ爆音がしなくなったのは通報から4時間後だった。 ネットのNHKニュースによれば、明神に向かう途中の下りで、ついた手の岩が崩れて2m滑落し、その上に岩が落ち、残念な結果とあった。縦走路の岩は多くの登山者に取捨選択され比較的安定しているが、一歩バリエーションに入るとボロボロで危険なエリアだ。登山道を数メートル外れることは岩場ではありがちだか、危険なんだと改めて感じた。