新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

北海道旅行 その4 日勝樹海ロード・アイヌ文化博物館

2023年7月16日 曇り

帯広を通過して日高山地の根元を横切る日勝樹海ロードから海辺の日高町に出て、海岸線を通って室蘭に。 計画では襟裳岬を考えていたが、曇りがちな天候で見晴らしもいまいちなので、気象通報ポイントの浦河を回る国道236の野塚峠を越えようと出発したが、間違えて帯広から国道274を通り日勝樹海ロードに入った。峠を越えると霧がひどくまったく山を見ることができなかった。

 

峠をしばらく下ると霧も晴れて、広い牧草地が遠い山裾の森まで広がるようになる。所々で馬が遊んでのどかな風景が続いていた。

 

道を間違えた事で偶然に二風谷(にぶたに)コタンに立ち寄れた。比較的広い敷地にアイヌの伝統的な家の「チセ」が複数立っていて、中ではアイヌ工芸作家さんが木彫りや織物などをしている。IMG_0957

チセの間隔はこのように広かったのだろうかIMG_0960

左のチセでは年配の女性が織物をしていたが、話しかけられなかった。右奥の新しい壁のチセは木彫りの年配の男性が居て、挨拶をすると話しかけてきた。本来のチセはもう少し小さくて壁ももっと低いといっていた。作業台には見事な彫り物の鞘と柄の山刀が置いてあって、売り物なんだと話してくれた。鞘はもともとは1本物を彫り込んで刃の収まる穴を作るそうだが、時間がかかるので今は二つ合わせにしているそうだ。うまく合わせてある。当然のことだが、現在チセに住んでいるアイヌは居ないそうです。

 

左が熊を入れる檻、右は倉庫(どちらも本物はもっと大きいのではなかろうか)IMG_0963

子熊を家の中で家族のように育て、大きくなるとこの檻に入れて飼い、イヨマンテ(熊の魂を神々の世界に送り返す儀式)に使われるのだそうだ。

 

鹿威しと同じ構造の水力粉ひき小屋

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他にトイレがあり、面白い事に男用と女用は分かれてそれぞれ独立している。

 

北海道の先住民族アイヌ、追いやったのは和人という事になっていて、その通りだが、その時同時に、アイヌも先住民の縄文人を追いやっている事を思う必要があるのではないかと感じている。また、和人の血には人によって異なるが、日本列島特有のハプログループ(縄文人)の血も混じっているからややこしい。

 

チセの材料や構造は縄文人の竪穴式住居と同じようで少し形状が違うのだが、縄文の竪穴式住居は柱穴しか出土しないので、上物の構造を見た者はいない。復元された竪穴式住居は想像の域を出ないのだろうから、本物はチセと同じであっても不思議ではない(かな?)基本的な違いは形状だろうか。チセは方形、竪穴住居は円か楕円形。モンゴルのグル、中国のパオもみんな円形。方形はいったいどこから来たものなのだろうか。

 

白老に入ると「ウポポイ」があった。駐車場に入ったところ、今までどこにいたのか観光客でごった返していた。さすが三連休。ウポポイにも少し興味があったが、トイレのみの利用とした。料金500円(駐車料金です)後にGoogleストリートビューで見てみると、二風谷のチセよりさらに大きな、いわば宮殿級のチセが建っている。木彫りの工芸家が言っていた「このチセよりもっと小さい」チセが本物なら、ウポポイのチセは超特大。あんなに大きかったら冬は寒くて暮せないのではないかと心配になるが、実はチセ風パビリオンなのかもしれない。行ってないので何も言えないね。

 

今日の夕食は街に出て。北海道と言えば魚介の産地、回転ずしのネタも期待できるのかどうかの確認に。ホテル近くの〇ら寿司に。まあ、そんな期待通りという事はないよね、大量仕入れで全国一律なお店ではやっぱり一律なのか。これってチェーン店の限界じゃないだろうか。今後全国一律のお店は衰退するのではないだろうかと大胆な予想を立ててみた。ケチなくせに贅沢を言ってはいけないよと反論されるか。