新緑のこもれび

日和田山や奥武蔵、時に遠い山をあるいた足跡

ツルネ東稜リベンジ 地獄谷本谷から

2023年9月2日 晴れ

先日の権現岳で下れなかったツルネ東稜、今回地獄谷からキレットに上がり、そのルートを確認できた。

 

先ずは川俣川沿いに出合いまで。P9029979

林道から河原に、これを見るとここに来たなと思う。直近では2009年なのであっという間の14年P9029987

懐かしの出合小屋に到着P9029990

赤岳沢を右に、権現沢を左に分けて、上の権現沢との出合にツルネ東稜の道標。ここから地獄谷本谷が始まるので沢装備にP9029991

花はもう秋だといっている。アキノキリンソウP9029993

いよいよ沢らしい滝P9020005

核心のゴルジュ。3段目までは登れるがその先落差2mほどの滝、なんとか行けそうだが、行ったら下りがいやらしい。さらにその先には見えな大滝があるといわれているので入り口まで戻って左岸を巻く。P9020008

巻きはとりつきが岩で2m位、あとは草付のトラバースで草の根を押さえてスタンスを確かめながら慎重に。緩くなる地点にこんな標識。ここにルートがあったなごりか?P9020010

巻き終わりは天狗沢出合。右から岩溝状に入るのが天狗沢P9020014

沢は滑床になりフリクションも快適となるP90200241.JPG

時々つるつるの滝も出てくるP9020048

最奥の二股を右(川床の低い方)にP9020053

V字地形の先に再び二股、左にP9020054

適当な左岸の斜面を登ってキレット小屋(今期休業)P9020055

小屋のすぐ先の鎖場から登ってきた本谷を見下ろす(上がったのは写真左の斜面)P9020056

秋の実り、こけももP9020057

小屋からツルネでまは緩い登りだが、疲れた身にはなかなかきつい。権現が見えるP9020059

つるねのケルン越しに中岳、赤岳、天狗尾根。稜線にガスが上がってきた。東稜はケルンの東側、それとわかる踏み跡が這松の中に続いている。(カメラの不調と携帯の突然の電池消耗で憩う写真取れず。残念)P9020065

ツルネ東稜は少しの間這松をかき分けるとしっかりした道が付いている。赤テープを拾いながら辿る。やがて木の道標(裏になめんなよ)を確認したら、トラバース気味に北の尾根に乗り換える。中間地点の地形図の尾根が広くなった場所での道迷いを心配したが、テープが丁寧につけられていて快適に下れる。沢音が一旦聞こえて途絶え、再び聞こえ出すと取り付き点は近い。

今朝見た「ツルネ東稜」の道標を確認し、踏み跡を辿ると、沢を横切る場面で少しわかりにくいが明確な踏み跡が出合小屋まで続いていた。

出合小屋からもテープを頼りに明確な踏み跡を辿ると左岸の林道に出る。この林道を辿ってゆけば、羽衣池・天女山の分岐に出る。朝は天女山方面に下って川俣川を遡ったが、一番広い林道をまっすぐ行けばよかったことが分かった。
国土地理院地図の黒実線で書かれた林道の1660m付近のUターンしている部分を折り返さず実線から外れてまっすぐ堰堤に向かうのが正規ルート、実際には林道が堤防脇まで続いていて、Uターンして登る道は草生している。朝はこの林道の途中に沢川から合流していたことになる(ログの合流点)

 

今回のログ

たかね壮から出合小屋付近まで地獄谷下部

出合小屋付近から地獄谷とツルネ東稜地獄谷上部

八ケ岳地獄谷 50年ぶり?
地獄谷は20代前半に登った記憶がある。詰めの笹薮の大岩を回り込んだら目の前に毛皮、とっさにクマと思い数メートル下って逃げ、改めて見上げるとカモシカのお尻だったというエピソードがあるからだ。ところが今回いってみて、果たして地獄谷本谷を登ったのだろうかという疑念が生じた。すっかり忘れているとはいえ、内容がずいぶん違って感じている。大滝の高巻きの記憶が全くない。わらじでのあの巻きなら覚えていてもよさそうだが?


キレット小屋
山を始めた頃、公共交通機関で土日で行ける山は限られていた。八ヶ岳は比較的近く当時の金額¥4000で1回の山行ができた。金曜の夜行、新宿発23:55発アルプス号。小淵沢や茅野から入って小海線沿線に抜けるコース取りをすると、一泊二日となり、幕営地はキレット小屋になるため、何度も訪れた場所だ。

 

ツルネ東稜
2008年なのでもう14年も前のことだが、権現東稜からツルネ東稜を下ろうとしてルートミスし(積雪で踏み跡はなかった)、早々と沢に下ってしまい、踏み抜地獄にくたくたになって夜遅くやっと出合に辿り着いて以来、ツルネ東稜の正しいルートが気にかかっていた。今回通ってみると、バリエーションとしての人気があるためか、ほぼ登山道化していた。

 

地獄谷

沢としては、楽しそうな滝がつるつるで登れず、登れる滝はほぼ簡単で、巻き以外に特徴が乏しい沢だが、核心部を巻いたのちに出てくる2mほどのつるつるの滝は、巻くのが面倒そうなのでショルダーを使ったが、ホールドスタンス皆無なので、ショルダーというよりは、レッグ、ハンド、ショルダー、ヘッドと、ヤモリのように岩に張り付いた人間ホールドを何とかよじ登る厳しいものだった。